笊の水汲み　あるいは日々の猫　ーfixxによるブログ的な何かー

外猫は雨を厭わない。
水たまりだって踏んづけて歩く。

ちょっとでも屋根があれば、気分も違うってものさ。

雨の日だからこそ、テリトリーの巡回はかかせない。
流れ者がやってくるのは、えてしてこんな時だから。

わずかな茂みと岩しかないため、ここでは
雨宿りといっても、雨が直撃しないだけ。

幸運な街猫には、雨の日のための場所がある。

褒めたつもりで、しっぽの動きがいいねといったのに、
そこなの？と怒られた。

互いの距離や感情を確かめる、
いちばん優雅なやりかた。

雨上がりにこの陽気。

なんの夢をみているのやら、手にくいっと力を入れて。

コートはおろか、上着やシャツも要らないくらい暑かった日。
猫だって、冬毛を洗い張りに出したかったに違いない。

ふぅん。
こんな場所の居心地の良さ、
知らないんじゃない？

季節は寒いけれど、
それだけじゃない。
たのしいことがある。
きみは、きっと
そういう記号。

家。
自分のために区切られた矩形の空間。
いや、そうじゃなくて。
いくつかの感情。
腹に響く思い。

僅かな距離を歩いていってしまうことはできないものか。
春に。

そんな目でみないでよ、
困り者の親戚じゃないんだから。
ちょっと会場に来るのが早すぎたのと、
招待名簿に載っていなかっただけじゃないか。

草や木々、植物は猫の守り手。
人の側にはついてくれないよ。