笊の水汲み　あるいは日々の猫　ーfixxによるブログ的な何かー

「ガンが再発したので退職して治療に専念します」
元警察官で少年スポーツの指導者を務め、どこにも病気の影など見えなかった高山さんに告げられたのは、昨年の５月。
「毎日ね、ブログを見てます。パワーを貰ってますよ」
そう言われて、こちらが恐縮したものだった。

過去、「しったか」のハンドルネームで記事に何度もコメントを残してくれたこともある。
「続けてくださいね、楽しみにしています」
「また、出てこられたら連絡しますから」
７月にそう言われたのが最後。
私たちにブログを介しての付き合いがあったことを知る人が少なかったため、その訃報は２か月余り遅れて届いた。
今度会ったら、デジタルフォトフレームに猫の画像を入れて渡そうと思っていたんだけど。

いろいろあるけれど、私はさらに続けていく。
だから、湿っぽい言葉はこれっきりでいいですよね？
それじゃ、また。

もうすぐね、ご飯がくるんだ。

予約していたハチワレだが、席はどこかね？

高い木の上には、やたらなビルがあって、
その上に雲がかぶさっている。
なんだか、首がくたびれた。

ずっと視線を感じる。
誰かいるよ。

ほら、ここは
私のために約束された場所。

どこかへいくヒトがいて、
どこかへいく猫がいる。
こういう風景を普通だと思えるのがいい。

きみの頭よりも上、
見上げなければならない場所。
好きなのは、とにかく高いところ。

じいっと、
誰もいない通りを見ている。
敵を見張っているのか、
誰かを待っているのか。
それとも、
何もすることが見つからないだけなのか。

テリトリーが定まり、次第に同じ場所で会うことができるようになった。
それでも、きみたちの姿を撮っておこう。
いつも、いつだって別れはいきなりやってくるからね。