笊の水汲み　あるいは日々の猫　ーfixxによるブログ的な何かー

夜のなか、
時間は速く過ぎる。
しっかり後をついてこい。

ここまでおいで。
ヒトは不器用だから、
足もとに気をつけて。
見たいものの輪郭をなぞるようにしながら、
一歩ごと、
ゆっくり歩くといいよ。

昼間は聞こえない音。
かすかに水の匂い。

影は光、
光は影を互いの証とし、
夜を縁取り、くるくるまわる。

意外な速度で世界は暗くなり、
ぼんやりとした姿に変わっていく。
さあ、夜の仕事のはじまりだ。

僕からは見えるのに、
そちらから見えないのはなぜ？

見たかい？
しばらく、これが続くんだ。

距離を測るこの目。
カメラを叩くのが生き甲斐。
危ないモデルの彼です。

そっちに行ってもいい？
怖くない？

どうしたわけか、
さっぱり開かないんだ。

おまえが背中で暖かそうにしてると、
なんか損した気分だよ。

ヒトがつくる芸術なんか、
僕らに敵うはずがないのにさ。

今日の探し物は、
雨をやり過ごすための場所。


このあと、雨にたたられた私は暗くなるまで雨宿りした揚げ句、ほうほうの体で逃げ帰った。

みんな行くところがあるけど、
道すがら、ちょっと絡もうよ。

写真ばっかり撮りに来ないで、
たまには秋刀魚でも下げてこいっての。

気に入った写真が撮れたり、
歓迎されたり、
しょうがねえなあって顔されたり。
いいことはたくさんあるけど、
いちばんはお互いを知ってることかもね。

ゆらゆら揺れる綱渡り。
こちらとあちら。
昨日に明日。
こんなに近くても、
たいして見えないよ？

知ってる人だよね？
ちょっとまって、今思い出すから。