笊の水汲み　あるいは日々の猫　ーfixxによるブログ的な何かー

ついてくる、
ついてくるな。
似ている、
似ていない。
ついてこい。

別に特別なことではない。
そう思うことが、
言い知れない傲慢であったと？

たとえ、世界の厚みがとんでもなく薄く、
一歩ごと大地がたわむとしても、
そんなこと、なんでもない。
寝ころんで、みあげてみればいい。

いつもの場所にいる。
待っているわけじゃないけれど、
ここにいれば誰かくるに違いない。

話し合うことより、顔を見合わせることが重要。
生きていくため、ぎりぎり必要な互いへの信用のため。

歴史や季節、長い年月。
そんなの本当はどうでもよくて、
大切なのは今日や明日。
またね、と言える短い時間。

可能性や違う世界が見えるのに、
ちょっと遠い？
いや、届かない。

ここ、自分。
全てがそろっている、いま。
この場所こそが存在であり、
ほとんど、僕だ。

幾度も幾度も確かめる。
木陰や岩の上、水辺まで試したうえで、
冬を知る。

寒さなんて、どうにでもなるさ。
生きていれば巡ってくる季節なんだから。

歴史のなかの短い時間。
それのみでは何も表さないまま、
意味に囚われている。

失ってしまった奥行きや幅、
純朴な色彩。
そうしたものが今を不安定にする。
いつか道をやってきて、
明るい日暮れ、
ふいに驚かされるような気がして。
何もない方向に目を凝らす。

どんなに奇妙に見えても、
ここが落ち着く場所。

どこにいようと、
雨は落ちてくる。
何をしようと運命からは逃れられない。
そんな事は知ってる。
ここにいたいだけ。

目を向けた先に見たいものがある。

楽しげな声が去った後、
少しだけ大地は冷える。

互いを見る、歩み寄る、言葉を交わす。
そのとき、あらわになる姿。

交わりたくないのに、
気にかかる。

跳ぶまでは自分の意思、
運命にパスを投げ、
あとは待つばかり。

うんと高い場所から、
覆いかぶさってくる空。
こんな重みは受け止めかねる。
なのに体の軽いこと。

ここ、と
向こう。
いま、と
あした。
ちょっとだけ違う座標。
でも、あっちがいい。