笊の水汲み　あるいは日々の猫　ーfixxによるブログ的な何かー

好奇心が影を潜める、
感情の乾季。
それでも駆け出して、
確かめにいってみる。

水辺に行ってみよう。
雨のあと、
かすかな虹が消えてしまう前に。

少しだけ、遠回りをする。
ちょっとだけ、はみ出してみる。
その手ごたえで、世界を測ってみる。

どこかへ向かおうとする歩みが、
とんでもなく空転し、
しだいに狭まる焦燥の輪に捉えられていく。

冬が終わったことは明らかなのに、
思うような春が見えない。
そこで探しにいく。

背を低くかがめ、
走る。
物陰に沈み込み、
そっと見回す。
いずれ立ち止まる時までは、
逃げる。

伝えなくてはならないことはなく、
話しかけたいわけでもない。
それでも、
何か言いよどんだような気持ち。
表現を見つけられず、
さまよっている言葉。

偶然に出会ったことも、
複雑で不明瞭な形容詞や形容動詞、修飾語を費やし、
長すぎるのに舌足らずにしか語れない。
だから黙っておこうよ。

自分の大きさと、
天地の広さを調べてるとこ。

問いかけた後、
空白を埋めるため、
走る。

これでいい。
そう思うことは結構重要だよ？

どうしようか、
迷うのは豊かなこと。
選択する余剰があるうちは、
地上も棄てたもんじゃない。

木に必要なものは何か。
爪にしっかりとかかる樹皮と、
居心地のいい枝。

その瞳があれば、
違う風景を見ることができるのかな。
それもまた、同じ世界なのかな。

いつからとか、
いつまでとか、
時間を計るようにして知るものではない。
私たちをつなぐのは、
いまそのもの。
何度でも繰り返す瞬間。

飛ぶことができるからといって、
何かから解き放たれるわけでもない。
変らず、
空間は貪られ、消費される。

風のふるえる距離に届く。
あなたがたの住み家は、
それより遠い場所。

気候ひとつで変っていく。
今日は良い日。

心情的なやり方でしか
歴史をとどめることのできなかった
私たちのとんでもなく長い影。

この平和はどこからくるのか。
なぜ続かないのか。
でも、いまは考えない。
身を起こすこともしない。