猫を傷つける人
今日、いつものように猫たちの写真を撮っていました。
夕暮れ、暗くなった木陰で、いつものように私を見かけて寄ってきた雄猫。顔のアップを撮ろうとかがみこんだ私は、猫の左の頬に何かが貼り付いているのを見つけました。
『黒い木の葉が付いている』と思い、取ってやろうと手を伸ばした時、それが木の葉ではないことに気づきました。
雄猫の頬の皮膚です。蟹の甲羅でもはがしたように、頬の皮膚がそぎ取られ、顎の下でかろうじてくっついていたのです。
すでに出血は止まっており、雄猫が鬱陶しそうに顔を振るたびに、そぎ取られた皮膚はちぎれて落ちてしまいそうでした。
私には近くにいた猫ボランティアの方を探して、この有様を見てもらうのが精いっぱい。
「これは酷い。鎌かナイフだね。明日の朝一番で獣医に運ぼう。こいつは人懐こいから、前にも前脚を折られたんだよ」
命に関わる傷ではありません。しかし、顔の左半分に大きな傷は残るでしょう。
ボランティアの方と立ち話をしている間も、こんな傷を負わされていながら、雄猫は私の足元にすり寄ってきます。
傷を負わせた人間は、こんな行為でいったい、どんな楽しみを得たのでしょうか。想像力に欠けた、感受性のない行為。
こうした行為にでた人間に対し、私は怒りより、さらに冷たい感情を覚えます。翻しがたい軽蔑です。
たぶん、これと同じことはあちこちで起きているのでしょう。防ぐことは難しいかも知れません。
せめて、身の回りの猫たちにもっと視線を注ぎ、何か異変があったら、できることをする…その程度のことしかできませんが、今後は意識して行いたいと思います。